補聴器は使う方の聴力、使用目的、使用環境などに合わせて
選ぶのがポイントです。
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POINT 1難聴の度合い
聴力の程度によって選択できる補聴器もある程度決まっています。
例えば高度難聴の方は最小サイズ耳あな型では補正パワーに限界があるため使えません。
まずは自分の聴力に適したタイプを選ぶ必要があります。 -
POINT 2聴力の傾向
聴力の形によって、補聴器の向き不向きがあります。
例) 〇低音は正常に近いが中音から高音にかけて聞こえが落ちている方
・あまり耳を塞がない RIC タイプの耳掛け型がおすすめ
〇全体の周波数が同程度で聴力もお悪い方
・オーダーメイド耳穴型や耳掛け型+イヤモールドなどがおすすめ難聴の聴力型によって、音の増幅度を決める事が大変重要な事です。
医療器具である補聴器の場合は、この低音域と高音域のバランスを調整することによって、
言葉の聞き取りを良くし、周囲の騒音を抑えることもできます。(フラット型) (漸傾型) 全周波数にわたって、ほぼ同レベルもしくは、なだらかに高音域が低下しているので、
調整は基準通りに設定すれば大きな問題にならない。(急墜型) (高音急墜型) 低音域が軽度の場合は、通常の調整では周囲の騒音などが過剰に入りすぎてしまうため、
低音域の処理を工夫する必要がある。また、高音域については90dB以上の低下がある場合、
ハウリングの防止などから増幅度を抑えた方が得策かもしれない。(低音障害型) 低音域をオージオグラム通り増幅すると過剰に騒音が入りすぎる問題が生じる。
また、言葉の明瞭度も低音によってマスキングされる恐れがあるので微妙な調整が必要になる。 -
POINT 3耳や耳穴の形状
耳がやわらかい
耳が小さい
耳の張り出しが少ない方や耳がやわらかくマスクをすると耳が前に寝てしまう方…耳掛け型は不向きです、オーダーメイド耳穴型がおすすめ
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POINT 4取り扱いのしやすさ(補聴器の形状や特徴)
耳掛け型やオーダーメイド耳穴型、電池式や充電式などそれぞれの利点や欠点があります。
お客様の使い勝手を考えて選択する必要があります。-
耳あな型 メリット
一つひとつ丁寧にオーダーメイド
より小さく、目立ちにくい
耳あなに挿れるので外れにくい
マスクやメガネ、帽子の邪魔にならない
耳あなに挿れるので汗に強い
デメリット
低域の聴力によってはこもり感が強くなる
耳型を採取する必要がある
充電タイプはない
小さいので紛失しやすい
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耳掛け型 メリット
取り扱いがカンタンな充電タイプもある
機能が豊富で様々な聴力に対応可能
耳の後ろにフィットして目立ちにくい
幅広い聴力に対応し機種が豊富
多彩なカラーバリエーションが魅力
デメリット
汗の影響を受けやすい
メガネやマスクの邪魔になる
耳なあ型にくらべ目立ちやすい
音漏れによるハウリングが起こりやすい
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充電式 メリット
取り扱いがカンタン(置くだけ充電)
電池交換の手間が不要
電池買い忘の心配がない
デメリット
コンセントが無いと充電できない
長年使うと充電後の使用時間が短くなる
急な電池切れに対応できない
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電池式補聴器 メリット
購入時の本体価格が充電式より安価
充電式補聴器より維持費がかからない
電池が切れても交換したらすぐ使用できる
デメリット
電池を買いに出かける必要がある
電池の入れ替えが面倒
充電式に比べ故障率が高い
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POINT 5ご予算と性能のバランス、付加機能など
当然、高性能なもの程機能が多いのは当たり前ですが、生活上で必要な機能を確認しご予算とも照らし合わせて選択します。付加的な機能として、補聴器とスマートフォンが連携出来る機能(電話の受け取りや音楽を補聴器から聞く機能)を持ったものがあります。アイフォンなどを日常的に使用されている方はこの様な機能があるとより快適です。
補聴器は個々の難聴や聞こえの程度に合わせてフィッティング(調整)することが必要で、
適切なフィッティングによってその効果が発揮されます。
しかし、装者用の聞こえの状態によっては、その効果が異なる場合があります。